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ラジオ関西 みんなの健康相談(乳児湿疹)

<ラジオ関西 みんなの健康相談>に出演しました。
平成14年9月14日午前7時50分放送
乳児湿疹 乳児脂漏性皮膚炎について

Q.お孫さんの頬に生後半月頃より湿疹が出るようになったとのことですが、このような事はよくあるのですか?
A.乳児期のお子さんには、顔などによく湿疹ができますが、乳児湿疹と呼ばれています。

Q.乳児湿疹とはどういう病気ですか?
A.乳児湿疹の特徴は、乳児に出現し、おもに顔にぐしゅぐしゅとした湿疹が生じることです。乳児期だけにみられる病気ですから、ふつうには1歳から少なくとも2歳までには自然と治っていくものです。

Q.その他にはどのような病気が考えられますか?
A.乳児期にみられる脂漏性皮膚炎も考えられます。

Q.脂漏性皮膚炎とはどういう病気ですか?
A.脂漏とは脂が漏れると書きます。新生児から乳児期には、生理的に脂を分泌する腺(脂腺)の働きが高まっています。そのため、頭、眉、耳、顔、胸、背中、お腹などに赤みを伴う湿疹と黄褐色のかさぶたできます。このような症状が、脂漏性皮膚炎と呼ばれています。また、乳児湿疹や脂漏性皮膚炎が、将来アトピー性皮膚炎になっていくかどうかは経過をみていかないとはっきりしません。

Q.乳児期にみられる湿疹には、日常ではどのような治療が行われているのですか?
A.まず一番大切なのは、スキンケアです。皮膚を清潔に保ち、入浴時にせっけんをつかって良く洗ってあげる事が大切です。ただれていたり、赤く腫れている部分は、そっとガーゼでなでる程度にします。かさぶたには、ワセリンを塗ってうかせて取り除きます。症状のつよい場合には、ぬり薬いわゆる外用剤が必要になります。

Q.入浴時のせっけんはどのようなものを使ったら良いでしょうか?
A.低刺激性のせっけんを使う事をおすすめします。市販で乳幼児用のせっけんなどが売られているので、そのようなものをつかわれてもいいかと思います

Q.入浴は毎日したほうが良いのですか?
A.皮膚を清潔に保つことが大切です。毎日入浴し、良く洗ってあげて下さい。

Q.入浴時の洗い方はどのようにしたらよろしいですか?

A.赤ちゃんの肌はとてもデリケートですから、ごしごし洗うと傷をつけてしまいます。やさしくなでるように洗ってあげて下さい。
Q.ぬり薬にはどのようなものがあるのですか?

A.ぬり薬には、大きくわけてステロイドの入っている外用剤とステロイドの入っていない非ステロイド外用剤との二つにわけられます。症状にあわせてどちらの外用剤を使うか選択します。
Q.ステロイドの入っている外用剤とステロイドの入っていない非ステロイド外用剤の違いは何ですか?
A.ステロイドの入っていない非ステロイド外用剤は副作用が少ないのですが湿疹を治す効果が弱く、ステロイドの入っている外用薬は湿疹を治す効果が強いのですが副作用の問題があります。

Q.ステロイドの副作用が心配とのことですが、ステロイドの副作用とは具体的にどのようなものがあるのですか。
A.長い間、強いステロイド軟膏をつけ続けた場合には、皮膚が薄くなったり、大人の場合では赤ら顔になったり、ニキビができたり、といった症状があらわれます。しかし、短期間の弱いステロイド剤ではこのようなことは起こりにくいものです。

Q.このままステロイドの使用を続けていいのか心配されていますが?
A.現在使用している薬の強さをきちんと理解していることが最も大切です。ステロイドと一言でいっても、強さが1から5までの5つのランクに分かれています。

Q.一般に、小さいお子さんにもステロイドの入ったぬり薬を使うものなんですか?
A.もちろんステロイドの入ったぬり薬を使わないにこしたことはないのですが、乳幼児湿疹でも症状がひどければ、短期間、弱いランクのステロイド剤が必要なこともあります。症状がよくなれば、さらに弱いランクのステロイド剤またはステロイドの入っていないぬり薬に変更し、塗る回数も少なくなるようにします。この方は、弱めのステロイド軟膏をお使いですから、症状が良くなったらさらに弱いランクのステロイド剤に変更していった方がよいでしょう。さらに湿疹が改善したならば、ワセリンなどで様子をみます。
一般に、乳児湿疹、脂漏性皮膚炎は成長とともに治っていく病気です。スキンケアを行いながら医師の指導のもと症状に応じた治療薬の選択を行いながら経過をみていくことが必要だと思います。